報道とは 2014 8 31
書名 虚報の構造 オオカミ少年の系譜
朝日ジャーナリズムに意義あり
著者 井沢 元彦 小学館
この本は、1995年5月10日に出版されました。
著者は、かつて、朝日新聞は、日本の良心の代表であり、
そこに書いてあることは、
全部そのまま信じていた「善良」な人間だったと書いています。
ところが、長じて、いろいろな情報に触れ、
高校、大学と進学し、社会に出て報道機関に就職して、
さまざま言論、言説に触れているうちに、
どうも朝日新聞が言っていることはおかしいぞということに、
気づき始めたのであると書いています。
この本では、第一部で個別の虚報の事例を取り上げ、
その背景と構造を分析し、
第二部で虚報の発生する原因を明らかにしています。
著者は、こう指摘しています。
虚報を生む、大きな原因の一つに、「思想」がある。
「思想」とは、常に「こうあるべきだ」という思い込みが前提になるからだ。
報道とは、言うまでもなく、
「こういう事実がある」ということが絶対の基本であり、
「こうあるべきだ」という姿勢が、あまりにも強くなりすぎると、
その「思想」に振り回されて、
実態とは違う情報を流すことになる。
すなわち、虚報である。